稲荷木ワークショップ

第一回稲荷木ワークショップ

  第1回のワークショップは2009年11月11日水曜日、稲荷木小学校で開催されました。テーマは「外環道路整備後のまちの姿と課題の共有〜新たにつくられる公共空間(道路、緑地、歩道橋)の課題と対策は?」です。
 外環道路が実際に完成した時、まちがどのような姿になるのか、生活にどのような影響があるのか、地図を見ただけではなかなかイメージできません。そこで、外環道路整備後の状態も示すことができる稲荷木小学校周辺地区市街地模型を利用します。たとえば外環道路の整備によって新たにつくられる道路や歩道橋が立体的にどのようにつながり、防犯上問題となる場所がどこにどのように現れるかが一目でわかります。
 この“イメージまちあるき”で外環道路整備後のまちの変化を具体的に把握し、課題と対策を共有することが、今回のワークショップのねらいです。防犯まちづくり計画の「外環道路周囲の緑地帯等の維持管理の実施検討(防犯まちづくり計画pdf版 p20)」を掘り下げる内容といえます。

 最初に、今回の企画を立てた、独立行政法人建築研究所の樋野公宏主任研究員から、前述の趣旨説明と問題提起がおこなわれました。その後、3名から5名のグループ5つにわかれました。
 参加者には稲荷木自治会経由で申し込んだ人と、稲荷木小学校PTA経由で申し込んだ人がいましたが、ひとつのグループに両方から来た人が混ざるように配慮されました。というのも、ふだん接点のない人と意見を述べあったほうが多彩な議論が期待でき、また、参加者が地域に新しい顔見知りを作る機会にもなるためです。

 グループごとに地図を持ち、順番に市街地模型を使って、自宅から学校や公園、駅など、自分や家族がよく行く場所をチェックします。そして、外環道路ができたら目的地までどうやって行くことになるのか、経路をたどってみます。それによって具体的にどのような変化があるのか、それがどう影響するのか(たとえば、この場所へ行くには回り道をしなければならない、この場所へ行くには交通量の多い道路を横断する必要がでてくる、など)をイメージするのです。

稲荷木ワークショップ 写真中央の女性がファシリテーター。
意見が出やすい雰囲気をつくります。
稲荷木ワークショップ 出た意見はファシリテーターが付箋に書き、
地図の該当箇所に貼りつけます。

 経路の確認が済んだら、グループごとに机をかこみ、大きな地図に気づいたことを書き込んでいきます。各グループとも活発な発言が続きました。よく指摘されたポイントは、「歩道がある/ない」「自転車が通れる/通れない」「灯りがある/ない」「横断できる/できない」などでした。

 その後、各グループが地図をホワイトボードに貼り、それを使ってグループ内の意見を発表しました。自分や家族の立場に立った発言以外にも、「年をとったら歩道橋を渡るのはきついと思うので、駅に行きにくくなりそう」「この部分はしばらく道ぞいに家がないから、夜に女性がひとりで歩くと怖いのでは」というように、より移動しにくい立場の人や、より危険を感じる状況への配慮も示され、さまざまな視点を含んだ内容になりました。これらの意見をワークショップ後に図に集約したものがこちらです。

 各グループの発表後、専門家が今回の成果をまとめました。
 「思った以上に各グループが共通したポイントを指摘していた。昼は快適だが夜は危険、犯罪は防ぎやすいが交通安全上は好ましくない、といった例もあり、さまざまな要素を考えあわせなければならない。個人的には、工事によってコミュニケーションが途切れないように、という意見が非常に印象的だった。緑地活用など、工事をコミュニケーションの機会としてとらえることもできるのでは」とのことでした。

 最後に、次回ワークショップの予告と、明治大学の山本俊哉准教授・東北芸術工科大学の高野公男名誉教授・稲荷木自治会の滝沢晶次会長からの挨拶があり、ワークショップは閉会しました。
 滝沢会長、ワークショップに参加したPTA役員、それに市川市役所防犯担当の方へのインタビューはこちらです。

また、この第一回ワークショップは、学技術振興機構(JST)の取材を受け、JSTのホームページに掲載されました。 記事が掲載されたコーナーはちらの4月9日分、掲載内容のPDFはこちらです。